予想通りに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
予想通りに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
なんでもかんでも人と比べちゃう…という方に!
無料って響き大好き!…という方に!
やなきゃいけないこと先延ばしにしちゃう…という方に!
オススメ度
分かりやすさ
おもしろさ
身の回りのことの納得度
今回は身の回りのことを行動経済学の分野によって説明する『予想通りに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』をご紹介します。
嫌なことは先送りにしちゃうなぁ…
無料と聞いて飛びついたけど飛びついたけど要らないなぁ…
そんなことよくありませんか?(私はよくあります)
そのような現象(?)を行動経済学の分野からわかりやすく説明してくれているのが本書です。
読んだ後に、「先送りにしちゃうのはしょうがない」って私は思ってしまったんですが、
具体的なエピソードをもとに随所に なるほど〜 っと納得させてくれる良書です。
最近読んだ中ではかなりおもしろかったです!
目次
そもそも『予想通りに不合理』とはどんな本?
行動経済学研究の第一人者であるダン・アリエリー(wiki)が著者です。
彼は高校3年生の時に全身の70%に火傷を負う悲劇に見舞われ、3年間病院で過ごしました。
その経験も彼の特異な見方の一因になっているようです。
人間の行動は当たり前に不合理です。
健康のためにダイエットしようと決意しても目の前の食べ物を我慢できない
頼まれごとなら受け入れるのに低報酬の依頼には抵抗感がある
など、よく考えると合理的ではない行動は日々の生活に多くあります。
なぜそんな不合理な行動をするのかを行動経済学と具体的なエピソードを用いてわかりやすく説明しています。
いつもの不合理を理解できれば、人々の行動も予想できるかもしれませんね!
本書の構成は
- 1章 相対性の真相
- 2章 需要と供給の誤謬
- 3章 ゼロコストのコスト
- 4章 社会規範のコスト
- 5章 無料のクッキーの力
- 6章 性的興奮の影響
- 7章 先延ばしの問題と自制心
- 8章 高価な所有意識
- 9章 扉をあけておく
- 10章 予測の効果
- 11章 価格の力
- 12章 不信の輪
- 13章 わたしたちの品性について その1
- 14章 わたしたちの品性について その2
- 15章 ビールと無料のランチ
となっています。
『予想通りに不合理』の2つのポイント
①自分の不合理な行動を理解できる
嫌なことは先送りにしちゃうなぁ…
無料と聞いて飛びついたけど飛びついたけど要らないなぁ…
などなど身近にあることを解明・解説してくれています。
例えば3章ゼロコストのコストでは無料の力について説明しています。
「普段コーヒーは飲まないし、コーヒーをいれる器具さえないのに、コーヒー豆の無料!クーポンに思わず飛びついたという経験はないだろうか。食べすぎて胃が痛くなりはじめているのに、食べ放題のビュッフェで無料!の料理を何度もおかわりした経験は?あるいは、役に立たない無料!の品々がどんどんたまってはいないだろうか。(中略)無料で何かが手にはいるといい気分になることはだれでも知っている。実は、値段ゼロは単なる価格ではない。ゼロは感情のホットボタン、つまり引き金であり、不合理な興奮の源なのだ。」(引用 本書P91〜92)
わかりますよね〜。無料って何か惹かれちゃいますよね〜
ダンは無料に感じる本質について
「人間が失うことを本質的に恐れるからではないかと思う。無料!のほんとうの魅力は、恐れと結びついている。無料!のものを選べば、目に見えて何かを失う心配はない(なにしろ無料なのだ)。」(引用 本書P97)
と話しています。
無料なら失っても恐ろしくない…なるほど!納得です!
このように普段の行動について具体的なエピソードを用いて解き明かしてくれているので、
なぜこんな行動しちゃうんだろうという自分の行動を理解できるようになるでしょう。
②マーケティングに活用できる
人の行動が理解できるということは、それはマーケティングに活用できるでしょう。
行動経済学は経済学に心理学的アプローチを取り入れていく学問です。
マーケティングは人の心理を読み解き、商品やサービスを効率的に売れる仕組みを作ることです。
この本で人の行動の本質を理解し行動を予測することで、効果的なマーケティングに活かせるでしょう。
まとめ 〜行動を理解し、行動を予測する〜
最近見た中で、個人的にトップクラスにおもしろかった書籍です。
単純に読み物としてもおもしろいですし、人の行動がよくわかるのでマーケティングに興味を持つきっかけにもなる1冊かと思います。
行動経済学は最近注目の学問ですし、少しでも気になりましたらぜひご一読ください!